2017/01/16

アンコールワット-美しさと神々しさの同居する神秘の遺跡

一度は訪れたい、カンボジアアンコール・ワット

正面から見た時の3つの尖塔のイメージ(実際は5つ)は、知らない人はいないくらい有名です。今回は第三回廊も含めて、その見どころを紹介しますね。

写真の石畳の道は西参道。こちらがアンコール・ワットへのメインの道になっています。西参道の床には大きな石がつかわれており、ちょっとガタガタしています。
ちょうど日本のお城のように、アンコール・ワットを周壁がとりかこみ、さらにそのまわりにぐるりとロの字型の環濠(お堀=水路をめぐらすこと)があるという構造なんです。

上の写真左の池のようなものが環濠(お堀)です。 奥に見えるのが周壁で、中央にあるのは西塔門です。

このまま参道を進み、周壁にある西塔門を抜けるのですが、その前に、周壁の右(南)寄り(=下の写真右端)に、ビシュヌ神が祭られているのでお参りしましょう。
ちなみにここにある窓は連子(れんじ)状窓といい、アンコール・ワットの第二回廊や第三回廊などにもあります。特徴的な窓ですね。

ヴィシュヌ神は、太陽が光輝く様を具現化した神で、通常手は4本が多いのですが、こちらの像は8本。会長ガルーダに乗り、人類の滅亡の危機には世界の救済もする神とされています。
もどって西塔門を抜けると、よく写真で見るアングルのアンコール・ワットが見えてきます。
左側に本来の道(西参道)があるのですが、ちょっと降りて、草むらに入ると、アンコール・ワットを手に乗せた写真が撮れますよ!
本来の道の西参道にもどり、進んでいくと、左右に2つの池(聖池)が見えます。左側で逆さアンコール・ワットの写真を撮りました。11月初めでしたが、乾季が進むと水が減り、この写真が撮りにくくなります。
いよいよアンコール・ワット中心部へ。アンコール・ワットの一番外側をロの字型に囲む第一回廊。

入り口は5か所ありますが、Cocoruu達は一番左側(北側)の入り口から入りました。
壁一面にレリーフが彫られています。テーマはエリアによって違い、ここではインドの古代叙情詩『ラーマーヤナ』の一場面が彫られています。
回廊にはこのように柱が並んでいて、向かって右の壁一面にレリーフがあります。(写真は振り返って撮ったので、実際見学した時と左右逆になっています。)
これは、サルのハヌマーン軍と魔王ラーヴァナ(20本の腕と10の頭を持つ。写真右上)の戦いの場面。
  
レリーフ中央右上の天狗のような顔の兵士(別の兵士の腰にしがみついている)はサルです。
この他、インドの叙情詩『マハーバラタ』、『乳海攪拌』、『天国と地獄』など様々なレリーフがあり、全てを見る時間はなかったのですが、比較的戦いのレリーフが多いです。

さて、西参道からそのまままっすぐ第一回廊に入り、抜けた場合は、この回廊(十字回廊)が見えます。
ここの床にある、オレンジがかった部分がアンコール・ワット全体の中心にあたるところ。ガイドさんは「へそ」と案内してくれました。この辺りは、柱や天井に比較的彩色が良く残っていますので、注意して観察してください。
十字回廊は、その周りを第一、第二回廊と壁が囲んでいるため、結局田の字型になっており、田の字の空白にあたるところに4か所沐浴の池の跡があります。
上の写真の一段低くなっているところ(下側)が沐浴の池の跡。写真上半分の壁のようにみえるものは、第二回廊の外側だったと思います。

第二回廊もロの字型になっていますが、第一回廊より床が高くなっています。 

第二回廊は、回廊自体(回廊内部)の見学は順路に含まれていませんし、第一回廊に見られるようなレリーフもありません。

しかし、ロの字型の第二回廊を通り抜けて、回廊の内側から外壁を見ると、たくさんのデバター(女神)が彫られています。それぞれ表情やアクセサリー、手に持っているものが異なっていて、見ていて飽きないです。
いよいよ第三回廊へ。ここは、『神々のすむ場所』と呼ばれていて、中央祠堂は一番神聖な場所とされています。

ちなみに、第三回廊自体はロの字型ですが、中央塔があるため、結局田の字のような形になっています。(写真はお土産ですが、第三回廊を表しています。)
アンコール・ワットの尖塔は3つだと思っていた方もいると思いますが、実際はこのように5つあります。見る方向により3つに見えるんですね。

より神聖な場所ということで、第一、第二、第三回廊と、回廊自体の高さもアップしていきます。写真は第三回廊の外側を、下から見上げて撮影したもの。尖塔の1つも写っています。
いよいよ順番が来て、第三回廊に登りました。第三回廊内部にも、デヴァター像(女神)がたくさん見られ、美しいです。
昔色々な人が触った(今は禁止です)ようで、テカテカと光っていました。(表面加工がはがれ、下地に塗っていたもののせいで光っているという説もあるようです。)
中央塔と田の字型の回廊の空洞の部分を撮ったものです。
第三回廊から見られる第二回廊とその向こうの森がすばらしいです。
こうやってみると本当に森のなかにあるんですね、かすみがかっていて神秘的です。
ぜひ見たかったところなので、希望がかなったうれしさと相まって、感動的でした。

第三回廊の石段の上にかぶさって階段と手すりがついていましたので、すこしは安全になったようです。ただし角度は急な上、ぬれるとすべりやすいので要注意です。
今回紹介したように、アンコール・ワットの見どころはたくさんあります。

建物自体やレリーフ・デバターの美しさ、第一回廊に差し掛かるまでに見え方が様々に変化するのもその一つ。第三回廊からの景色も素晴らしいです。

でもCocoruuには、このアンコール・ワットの、本当に神様がここにいるのではないかと感じる独特の空気感、それがとても魅力的でした。

多くの人を惹きつけてやまないアンコール・ワット。その秘密はここにあったりするのかも。

こればかりは、写真では伝えることができません。機会があればぜひ訪れてみてください。

第三回廊見学について:

・入場時間は7:40頃~17:00ですが、独自の入場制限があります。
・仏日(一か月に4日位)は入場できません。
・肌が露出する服装は入場できないことがあるし、マナーとしても避けた方が良いでしょう。(タンクトップやミニスカートなど)
・妊婦や子供(11歳以下)や心臓疾患の方も入場不可です。

最新情報はご確認ください。

参考までにCocoruuの場合は…

参加したパッケージツアーには「アンコール・ワットをじっくり2時間観光」とは書かれていましたが、第三回廊のことは書かれていませんでした。

到着した夜、思い切って「第三回廊を見たい!」と伝えると、現地係員さんは「案内は出来ませんが、少し自由時間をとりましょう」と言ってくれたのです。

私たちはたまたま時間をとってもらえたのですが、ツアー日程もさまざまでしょうし、希望を伝えるのはいいですが、パンフレットに明示されてなければ、無理は言わずあきらめましょう。

結局なんとか見ることが出来たのですが、当日第三回廊入場待ちのたくさんの人の最後尾に並んだ時点では、入場制限されていました。

しばらくして、入場制限が解除され、なんとか15分だけ見て、ツアーに戻りました。

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