2016/07/19

ガウディのサグラダ・ファミリア 実物はよりユニーク!

スペインの有名な建築家アントニ・ガウディの未完の作品、
サグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)。
完成までもっと時間がかかるといわれていたのですが、2026年に完成予定が早まり、その動画(Basílica de la Sagrada Família提供)が話題になっています。

完成すると、現在よりも、よりゴージャスな外観になる感じですね。Cocoruuは現在の外観も好きなのですが。

サグラダ・ファミリアの外側の彫刻ですが、実際に見るまでは、もっと規則的に、同じ溝が彫られていると思っていました。

実際は色んなものが彫られていて、木の実のようなものや、かたつむりまであります。近づいて見るとにぎやかで楽しい感じです。

内部は植物をモチーフにしたもので、柱は木の枝のようになっていて、それが多数のヴォールト(かまぼこ型)天井をささえています。とてもユニークな形ですね。ここにもガウディの個性があふれています。
この形は、音響効果や強度面でも優れているんです。天井には照明もついていますが、自然光も取り入れる工夫がされています。

この樹木式構造は、事前に1/10模型がつくられています。この案にいたるまでにガウディは、10年近く構想を練ったそうです。すごい!

ガウディはすでに亡くなっているので、聖堂の完成を見ることはありませんでした。

彼は、後の世代にスケッチやいくつかの模型を残して、聖堂の完成を託したのですが、内戦によりそれらが破壊されてしまい、模型の修復は大変な作業でした。

Cocoruuが観光した当時、完成予定の模型が内部に置かれていました。これも再現された模型のひとつだったんですね。
現在も模型室にて作業がつづけられているそうです。

ガウディはサグラダ・ファミリアに3つのファザード(建物の正面デザイン)を計画しました。それぞれ、「生・死・復活」を象徴するもので、「降誕(=生誕)・受難・栄光」と呼ばれています。

こちらは東側の「降誕のファザード」と呼ばれ、ガウディの生存中にほぼ完成しました。それにしても、ものすごい彫刻の数ですね!細部にいたるまで徹底して作られています。実際に見るとすごい迫力です。
これらはキリスト誕生から成長の物語を表現しています。少し分かりにくいですが、写真の上部には、キリストを授かった聖母マリアが祝福を受け、冠をのせてもらっている様子が表されています。

こちらは、反対側にある「受難のファザード」。残されたわずかな情報をもとに、1954年から着工され、現在も建設中です。

幾何学造形で、省略の美というか、これってつくりかけなのとも思える位、作風が異なっています。
キリストの最後の晩餐から死までが、下から上に向かって表現されています。下半分の造形の右側は、十字架を背負ったキリストであり、すぐそばには嘆き悲しむマリアの姿が。

一番左の福音書家は、ガウディをモデルとしたと言われています。

ガウディは31歳の時、サグラダ・ファミリア2代目(1代目はビリャール)の主任建築家に任命されました。地下礼拝堂部分は、ガウディが最初に手掛けたものです。

ここは、天井のみ高くされましたが、ほぼビリャールの設計通りに建てられました。

建設中、何度も資金不足になり、そのたびに寄付をうけて建設が再開されました。

口下手なガウディが晩年、家々を周り寄付を募るのを見て、市民も心動かされ、このとき多額の寄付(グエイ家の関係者からといわれている)を受け、建設を再開したこともありました。

路面電車と接触したみすぼらしい老人が、ガウディと分かった時は、大きく報道され、3日後に亡くなった時の葬儀の参列は、なんと1km以上もあったそうです。

ガウディは、2代目建築に就任した時、キリスト教について自分があまりに無知であるということで、聖書を読み、断食まで行いました。また、晩年は、他の仕事を断り、聖堂建設に身を捧げました。

文字通りガウディのライフ・ワークとなったサグラダ・ファミリア。写真よりも、実際に近くで見るとよりこの建築の緻密さ、大胆さ、ユニークさに誰もが感嘆することでしょう。

ファンでなくとも、一見の価値ありです。完成してから観光するのもよいですが、いつ見ても十分素晴らしいと思います。

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