2016/08/29

立体的なレリーフに見入ってしまうバンテアイ・スレイ

バンテアイ・スレイ(「女の砦」の意味)は、カンボジアに行くなら必見の遺跡です。とにかく、ここのレリーフの立体感は、他には見られないものです。彫りが深いというか、彫られているものがとびだしてきそうです。

そして、彫られている部分がすべて、なだらかな曲線で構成されています。言い換えれば、カクカクした部分がない、かどがないんです。

規模としては、東門から西門まで300m程度、アンコール・ワットやアンコール・トムと比較すると、はるかに小さいですが、見ごたえ十分。

バンテアイ・スレイは967年につくられた、ヒンドゥー教の寺院で、レリーフには、ヒンドゥー教の神々が描かれています。

入り口のすぐそばには、アンコール遺跡群が1992年にユネスコの世界文化遺産に登録された記念碑があります。日本語でも彫られています。
東門をくぐりリンガを模した像がならぶ道を通ると、第一周壁の門に着きます。この門の上のレリーフが素晴らしいです。

カーラ(「時間」を象徴する神)の上に象が3体おり、その上にヴィシュヌ神(シヴァ神、ブラフマ神と合わせてヒンドゥー教の三大神と呼ばれ、ビシュヌ神はこの世を維持する神。)がいる様子が彫られています。
門をくぐる前の壁には、不思議な文字が刻まれています。何と書いてあるのか、何語なのかよくわかりませんでしたが。
第一周壁の門をくぐると、両側に池が見えます。
門をくぐりすぐ左をみると、こちらにも美しいレリーフがあります。本当は門の上にあったものでしょうが、レリーフの部分だけが置かれています。写真は白鳥に乗ったブラフマー神です。
池の間の道を進み、第二周壁の門をくぐると、中心部に着きます。

しかし、2016年8月現在、ロープが張られているため、有名な「東洋のモナリザ」と呼ばれるテバター像は、間近でみることはできませんでした。第二周壁に近い側にある別のテバターは、わりと近くでみられます。こちらも美しいものでした。
写真の右側は中央祠堂、左側が南塔ですが、この前にサルの像が何体かみられます。
経蔵の上にもレリーフが施されています。飾り扉の部分やその周辺も残っています。
中央部分を歩き回って観光できないのが残念ですが、遺跡保護のためには仕方ありません。双眼鏡をもっていかれるのも良いかと思います。

しかし、近寄って見られるところだけでも、アンコール・ワット、アンコール・トムとはまた違った遺跡であり、レリーフが非常に美しく、ぜひ訪れてほしいところです。

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