2016/12/12

南イタリアのポンペイ遺跡観光!古代ローマ人の生活を感じよう

ポンペイは現在のイタリアナポリの周辺にあります。

約270年前、ポンペイ遺跡が発掘されるまでは、古代ローマ時代の遺跡と言っても、記念碑位しか発見されていませんでした。それがこの発見で、日常生活の細部にいたるまで、多くのことが分かってきたのです。

約1900年前のヴェスヴィオ火山の大噴火により、一瞬で火山灰に埋もれた町ポンペイ。

ヴェスヴィオ火山の噴火による火山灰や溶岩は、厚さ6mもあったそうです。

実際にポンペイを訪ねてみると、当時の人々の暮らしが手に取るように分かり、古代の人々が、ただの過去の人ではなく、生き生きとしたリアルなものとして、わたしたちに迫ってきます。

入り口を通ってしばらくすると、左手に見えてくるのが、このジュピター神殿。その後ろに見えているのが、ヴェスヴィオ火山です。
写真の手前側が、フォロ(Foro)と呼ばれる、かつての社会生活の中心であったところです。
こちらはアポロ神殿。中央にあるのが祭壇です。
エジプトやアンコールワットにも神殿が見られますが、神殿は、人が住むためではなく、神様の住まいとしてつくられたものです。アポロ神は、町の守護神とされ、とくにポンペイの人にとって重要でした。

ここはバシリカと呼ばれる、裁判や商取引が行われた施設です。写真では分かりにくいのですが、柱の上部に精巧な彫刻がされています。
この建物はポンペイの中でもっとも費用をかけて作られたもので、デザインも当時としては画期的なものでした。

この通りは、アボンダンツァ通りと呼ばれ、通りには、居酒屋や商店、旅館などが並んでいました。
この通りが、かつて多くのローマの人々でにぎわい、荷馬車が行き交い、活気づいていたことを想像しながら歩くと、色んなことを感じ取れる気がします。

ちなみにこの通りにある、石風呂のようなもの、なんだと思います?
これは公共泉水なんです。もともとは井戸水を利用していたポンペイ。しかし台地の下には火山灰が堆積しているため、井戸を掘るのが大変で、実際ほとんどの家では、主に雨水をためて使っていました。

その後、近くのアクアルス川からの水を運ぶ水道がつくられ、このような公共泉水が整備されました。ここでポンペイの女性たちが集まって、水をくみながらおしゃべりをしたりしていたのでしょうか、当時の様子を想像すると楽しいですね。

水の出口には、左の肩に豊穣の角をのせている女神が刻まれています。

スタビア浴場は、ポンペイで最も大きな公共浴場です。
この男湯の脱衣室、天井はスタッコ(化粧しっくい)のうきぼり装飾がされ、ヴォールト(かまぼこ型の天井)は3重のアーチでささえられています。
この部屋に置かれたガラスケースには、石膏鋳型法で再現された、ポンペイ市民の最後の姿が保管されています。

写真の温浴室ではぬるめのお湯につかったりして、体を徐々にあたためました。ここは床下に熱風を循環させ、暖房をしていました。
そのあと、熱浴室で、蒸気がいっぱいの熱いお湯につかります。
この冷浴室は水風呂で、熱い湯につかった後につかわれました。ずいぶん充実した公共浴場だったんですね。
こちらは居酒屋です。カウンターには、色のついた大理石が貼られていておしゃれです。カウンターの穴には、食べ物や飲み物の入ったかめが置かれていました。
ポンペイではこのような居酒屋のあとが約90も見つかっています。
ここはパン屋さんで、写真の左はかま、右にあるのは石臼です。上から穀物を入れ、穴が開いているところに木の棒を差し込み、ラバに回転させて粉をひきました。
ここは残された印章などから、ウェッティ一族の家であることがわかっています。
保存状態がとてもよく、多くのフレスコ画が残されています。
これは待合室に描かれていた闘鶏の様子で、右側にいるのが勝った鶏です。
食堂には、こんなかわいらしい天使たちの壁画が残されています。椅子に座っている人が香水を試したり(写真左)、香水の抽出や、材料をつぶしたりしている様子がえがかれています。
ポンペイのフレスコ画の中には、独特の赤茶けた色合いのものがあり、ポンペイの赤とも呼ばれています。
客間に描かれているこの壁画は、神話をモチーフにしたものです。
ポンペイの遺跡では、ウェッティの家以外にも多くの家(牧神の家、悲劇詩人の家など)が発掘されています。

剣闘の試合に使われた円形闘技場や、若者の心身を鍛える目的でつくられた大体育場もありますし、大劇場、オデオン座では、オペラやバレエが観賞されました。

また、城壁の外にある秘儀荘は、保存状態のよい複合建築で、大小60もの部屋からなっています。ここの秘儀の間には、壁一面に壁画が描かれています。ここの壁画は等身大の人物の大作で、背景にはポンペイの赤が使われています。この壁画は当時から有名だったと考えられています。

Cocoruuたちが参加した現地発の日本語ツアーでは、時間の関係からか、残念ながら秘儀荘には行きませんでした。必ず見学されたい方は、確約しているツアーに参加するか、個人で行かれる方がよいでしょう。

ポンペイについては、文章で読んで少しは知っていたのですが、実際に歩いてみると、遺跡は想像以上に広く、また古代ローマの人々の暮らしがリアルに、生き生きと伝わって来ました。

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