2017/02/06

ハトシェプスト女王葬祭殿とメムノンの巨像を訪れよう

ハトシェプスト女王葬祭殿は、エジプルクソール西岸(ナイル川を隔てて西側)にあります。(王家の谷より約500m南東)

こちらが外観ですが、近くで見ると、本当に大きな建物です。

テラスは、1階部分(第1テラス)、1階の屋根にあたるところ(第2テラス)、2階の屋根にあたるところ(第3テラス)と3つもあり、1階・2階の建物のそれぞれのテラスには、左右11本ずつ、2列の柱が並んでいます。ちなみに3階は屋根がなかったと思います。

壁画は場所によっては、写真のようにかなり傷んでいます。
スロープを上がり、向かって左端のエリアは、ハトホル女神礼拝所になっています。
ハトホル女神は、ホルス神(ハヤブサの頭部をもつ、王の守り神)の妻で、牝牛の耳をもちます。その乳でファラオを育てるとも言われます。ここの列柱室の壁には、牛の乳を飲む女王のレリーフがあります。
ハトホル神殿至聖所(一番奥の最も神聖な場所)への入り口。この辺りは、結構色が残っていました。
向かって右端のエリアには、アヌビス神の礼拝所があります。アヌビス神は、イヌ(ジャッカル)の姿をしていて、死者を冥界に導きます。ミイラ作りの神でもあります。ここの壁には、とても鮮やかな壁画が残されていて、きれいでした。

写真右側は、アメン神。左は、さまざまな捧げものだったと思います。
ホルス神(左側)とトトメス3世。
さらにスロープを上がると、ハトシェプストの顔をした、オシリス神像が並んでいます。ところどころ彩色がのこっています。
奥まで進むと、岩窟至聖所があります。ここが至聖所の入り口です。
分かりにくい写真ですが、入り口の左右には王が描かれています。

ハトシェプストは、エジプト初の女王でした。王であった夫が亡くなった後、自分には男子がいなかったため(寵妃には男子がいたのですが)、もと王の正妃の娘である、自らが男装し、ファラオとなったそうです。

それにしても、1人の女王のために、これだけの建造物がつくられるとは、すごいですね。(女王の墓は、北側の列柱室の下から見つかりました。)

神殿が神様のためのすまい・儀礼の場所であったのに対し、葬祭殿は王個人が礼拝し、来世での生活で使用する奉納品を供える目的で建てられました。

しかし、時代と共に、葬祭殿は記念碑としての性格を強め、レリーフも王の功績をたたえるものが多くなったようです。

Cocoruuはパッケージツアーで訪れましたが、遺跡内は結構歩くので、観光用の列車を利用されると良いかと思います。

メムノンの巨像は、ナイル川を渡ってまず目にします。いわば、王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿への入り口のイメージです。
アメンホテプ3世の座像なのですが、高さは約18mもあります。この像のうしろに、かつては葬祭殿もあったのですが、後の王たちにより、石材として使われてしまい、今は跡形もないです。

過去に起きた地震のせいで、うめき声のような音を発し、「像が歌う」ともいわれたそうですが、修復されてからは、その音はなくなりました。

エジプトの神殿、葬祭殿、像などの建築物は、巨大なものが多く、しまいには感覚がマヒしてしまいそうです。数々の建造物を数千年以上も前にどのように作ったのか、とても興味深いですね。

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