ムンクの『叫び』など絵画&彫刻展示が充実-オスロ国立美術館

ノルウェーオスロ観光の機会があれば、是非訪れてほしいのがオスロ国立美術館

特に『叫び』に代表されるエドヴァルド・ムンクの絵画展示が充実していて、ムンクファンはもちろん、特別にファンでなくとも、鑑賞の価値ありです。
この『叫び』は、彼がニース滞在中に見た、血のように赤い空と、群青色の街並み、そしてそこで聞いた叫びが、もとになっています(1892年1月22日の日記に記されています)。

しかし、その時そばにいた人で、ムンクと同じように感じた人はだれもいませんでした。
この絵のもとになったのは、ニースでの体験ですが、描かれている場所自体は、オスロの町と考えられています。

叫びに対して耳をふさぎ、身もだえしている人物。顔の輪郭さえも変わらんばかり。ちょっとおどろおどろしい感じです。

ところでこの写真(盗難にあってから、今は残念ながら撮影禁止です。)を見て、『叫び』って、もっと青色っぽい絵だと思ってた、という方もいるのでは?実は『叫び』は、複数描かれているんです。

写真のものは、
・1893年 厚紙に油彩とテンペラとパステル オスロ国立美術館(赤い色が目立つ。)
ですが、これ以外に画集などで紹介されているものは4点(下書きを除く)あります。

・1910年 厚紙にテンペラ ムンク美術館(海の群青色が目立つ、人物の目玉がわかりにくく骸骨に近い。)
・1895年 厚紙にパステル 個人所蔵(配色は1910年のものに似ているが、パステルのラインがはっきりしている。美術品としては最高額でオークションで落札された。)
・1895年 リトグラフ 墨 ムンク美術館(墨のリトグラフなので白黒。)
・1893年 パステル ムンク美術館(青色がめだつが、1895年のものに比べ色合いは少なめ。)

実はCocoruuが美術の教科書で知っていたのは、1910年作のものだったので、実物を見た時、「あれ~?赤い!!教科書は印刷物だから色味が違って見えたのかな?」などと思ってしまいました。(^_^;)

有名な『マドンナ』も、2点あり、こちらは油彩ですが、似たような構図で、リトグラフのものもあります。
(芸術作品ですが、子どもOKのサイトなので一応一部加工しています)
リトグラフの方が後の作品で、よりはっきりしたテーマ(誕生と死は不可分であること)が表現されています。

ムンクの絵の展示室にいると、何ともいいようのない、不思議な感覚が湧き上がってきます。まるで、今自分がいるこの空間さえも、ゆがんで見えるかのような、別世界に引き込まれるかのような錯覚に陥ります。

『月光』1895年
『冒険の森』1901-1902年
ムンクは、生涯において、明るい絵も描いていますが、不安を感じさせる絵も多いです。

5歳で母を、その9年後に姉を、30歳で弟を亡くしたムンク。さらに妹は後に精神の病になり、ムンクにとって「病、狂気、死」は、一生自分につきまとったものでした。

1892年に行われた、これまでの集大成の展示を機に、ムンクは自分の作品の総まとめ的な絵「生命のフリーズ」(愛と死をテーマとした連作)を描きはじめます。『マドンナ』もその一つです。身近な人を次々と亡くしたムンクにとって、愛と死は分かちがたいものであったに違いありません。

オスロ国立美術館には、このほか、ルノワール、ゴッホ、ドガ、クロード・モネ、パブロ・ピカソなどの有名な画家の作品や、彫刻なども展示されています。オスロに行く機会があれば、あなたも是非ムンクワールドを体感してみてください。
アクセスと最寄駅:
トラム11,17,18番Tullinlokka駅または13,19番Nathional-theatret駅。
地下鉄1-6番Nathional-theatret駅。
目抜き通りカールヨハン通りから徒歩数分。オスロ大学旧校舎裏にあります。