2016/10/17

ユニークな二重構造コム・オンボ神殿、保存良好なホルス神殿

エジプトにはいくつも神殿があり、たくさん観光すると、ごちゃごちゃになる感があります。しかし、やはりそれぞれ特徴をもっています。

コム・オンボ神殿は、すべてが二重構造になっているのが特徴です。
丘の上に建つこの神殿は、見晴らしがよく、神殿に立つと、ナイル川を見下ろすことが出来ます。
丸い井戸のような形をしたナイル水量測定場(ナイロメーター)も設置されています。

ナイロメーターは、当時よく氾濫し、洪水の危険があったナイル川の水位をチェックするためにつくられたもので、ナイル川の流域のあちこちに設置されています。

形は色々あるようですが、要はナイル川を地下トンネルでつなぐなどして、川の水位に応じて、ナイロメーターの水位も変化する仕組みです。

ナイル川の氾濫は、肥沃な土壌を運んでくれるメリットもありますが、時には当時の人々に牙をむく危険なものでもありました。

この神殿はホルス神(ハヤブサの頭部をもつ神様)とソベク神(ワニの神様)のために建てられたとされているので、塔門の入り口、部屋の入口、通路などすべて2つずつあるというユニークな構造になっています。もちろん奥の至聖所(一番奥の神聖な場所)も2つあります。
また、レリーフも珍しいものが見られます。
下の写真の左に縦に並んでいるのは、カレンダー(日付)をあらわしています。
また、以下のレリーフの中央上側にあるものは、医療器具を描いたもの。気づかなかっただけかもしれませんが、ここでしか見られませんでした。
写真のレリーフ右から2人目は、ラー神(太陽神)で、国家の最高神とされています。
左のトト神(トキあるいはヒヒの頭部をもつ神様)と右のホルス神(ハヤブサの頭部をもつ神様)がファラオに生命の水をかけているレリーフ。レリーフ上部にはうっすらと色が残っています。
こちらの柱のレリーフにも一部に色が残っています。
柱の上部に彫刻されているパピルスや、奥のレリーフの色彩は、写真でも比較的わかりやすいと思います。
コム・オンボの博物館ではワニのミイラも見られます。牙もはっきり残っていますね。

ホルス神殿エドフ神殿)は、最も保存状態のよい神殿の一つ。砂に埋もれていたため、きれいに残っていたんです。


写真は外庭から見た第2塔門ですが、かなりの部分がきれいに残っています。入り口の左右にハトホル女神のレリーフがあり、その外側に左右にあるレリーフがホルス神です。
それにしても、入り口の左右に小さく見えるホルス神の像が人間よりも高いことから、この塔門がいかに大きいか(高さ36m)、わかっていただけると思います!!

第2塔門を入ると中庭があります。写真は中庭から次の第1列柱室を撮ったものです。写真では分かりにくいですが、第1列柱室内にはちゃんと天井も残っています。
第1列柱室に入る手前左側には大きなホルス神像があります(本来は右側にもあるはずですが残っていません)。
ホルス神はハヤブサの頭部をもつ天空の神様で、第2塔門のレリーフでは体は人の姿になっていますが、この像は体も鳥の姿をしています。
奥の至聖所にはレバノン杉でつくられている聖船が見られます。木でつくられたものが腐らずに残っていたことがすごいですね。日本のように湿気や雨の多い地域では、たとえ砂に埋もれていても、この様な状態で残ることは難しいでしょう。
内部にあるレリーフは色彩が一部残っているものもあります。左側がホルス神。写真ではわかりにくいですが、右側のレリーフの腕の部分に肌色の色彩が残っています。
こちらのレリーフは立体感があって、腕の筋肉など、生き生きと表現されています。
レリーフの中には、顔の部分がつぶされているものがあります。のちのキリスト教信者により破壊されたと言われています。
昼食はコシャリ。エジプトに来た旅行者が一度は食べるのではないでしょうか。
写真では分かりにくいですが、ごはん(エジプト米を炊いたもの)の上にタアレーヤ(揚げた玉ねぎ。サクサク食感!)や豆(レンズ豆やヒヨコ豆)がのっています。

マカロナ(短く切ったパスタやマカロニ)も入っています。これにトマトソースなどをかけて食べます。なんだかB級グルメ的ですが、とってもおいしいです!

遺跡もいいけど、食事も楽しみましょう。

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